2021年12月9日

血小板解析についての論文がNature Communicationsに掲載されました

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を対象にした血液画像解析によってCOVID-19患者の血中に高濃度の血小板凝集塊が存在することが明らかとなり、その研究成果がNature Communications誌に掲載されました¹。本研究は東京大学大学院理学系研究科の合田圭介教授および医学系研究科の矢冨裕教授が主導したもので、当社は2021年2月に東京大学と共同研究契約を締結して、この研究に参画しました。今回の研究成果についての詳細は東京大学からのプレスリリースをご参照ください²。

当社では、今回の研究でも活用された高速撮像とビッグデータ解析を組み合わせた血小板凝集塊解析法の実用化を目指した研究開発を進めています。当社では、自社開発しているSHIGIプラットフォームに血小板凝集塊の解析機能を搭載することで、この技術を広く普及させたいと考えており、東京都の先端医療機器アクセラレーションプロジェクト(AMDAP)などの支援を受けて医療機器開発に取り組んでいます。

 

血小板の活性化が、脳梗塞や心筋梗塞などのアテローム血栓症に関与することは広く知られています。アテローム血栓症は、動脈硬化巣(プラーク)が破綻し、そこに血栓が形成され、血管が閉塞することで発症しますが、血小板の活性化・凝集が大きく関与します。血小板の体内での活性化状態を正確に計測できれば血栓症のリスク診断に役立つと考えられますが、血小板は実験上、扱いにくく、外部から刺激を受けると容易に活性化してしまうことから、そのような計測は困難でした。血液画像の解析から血小板凝集塊を計測する手法は体内の血小板活性化を検知する方法として有望であり、今回のCOVID-19の研究成果でもその実用性が示されました。

この技術の実用化により、脳梗塞や心筋梗塞、COVID-19に関連する微小血管血栓症など、血小板に起因するさまざまな血栓症の検査普及や病態理解が進むことが期待されます。

  1. M. Nishikawa, et al., Massive image-based single-cell profiling reveals high levels of circulating platelet aggregates in patients with COVID-19

  2. 東京大学大学院理学系研究科・理学部 プレスリリース 「血小板で新型コロナの重症化リスクを予測」(2021/12/9)

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